2014年04月22日

Illumination Software Creator

今までWeb上で公開するためのゲームブック作成ツールを紹介してきましたが、今回はスマホのアプリとしてアウトプットできるゲームブック作成ツールをご紹介します。


「Illumination Software Creator」は2010年に開発されたオープンソースのアプリケーション作成ソフトです。
2012年にバージョン7になってライセンス制の有料シェアウェアになりましたが、バージョン6までのものは今でも無料でダウンロードできます。Windows、Macintosh、Linuxの三つのOSのバージョンが用意されています。
言語は英語で変換はありませんので日本語版もありません。

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 正式にはゲームブック作成に特化したソフトウェアではなく、プログラミングレスでiPhoneやAndroid向けのネイティブアプリやHTML5を用いたWebアプリを作成するソフトですが、開発側が「Choose Your Own Adventure」(ゲームブックのこと)などのアドベンチャーゲーム作成を意識していたらしく、その手のゲームブックアプリを作るのには適した仕様となっています。もちろんゲームブック以外のアプリ作成も可能です。
 開発側のチュートリアルにもゲームブックの作成方法が記載されています。

HTML5のWebアプリやスマートフォン向けネイティブアプリの他にFlashやPythonベースのアプリも作れます。


スマートフォン向けのアプリのプログラミングレスの製作ツールは国内海外共に星の数ほど存在しますが、その殆どはゲームブック作りに特化したものではなく、あくまでアプリ全般の製作ツールであったために、ゲームブックアプリ作成を試みる側にとっては敷居は高かったのですが、こういったアドベンチャーゲーム作成を重視したアプリ作成ソフトが存在することにより、ゲームブックアプリが個人でも作りやすくなったのではと思います。

 しかしながら、プログラミングレスとは言えプログラムや変数などの知識は求められます。のでこのソフトウェアはIT関連の上級者向けとなります。
Webアプリとして作成するには普通にアウトプットしてサーバーに上げるだけで動作できますが、iPhoneやAndroid向けのネイティブアプリとして公開するにはそこそこの知識を要求されます。

iPhoneアプリにするにはXcodeをインストールしたMacintoshが必要です。(基本的にiPhoneアプリを作成公開するにはどのような手段でもMacintoshが必須不可欠です)
AndroidアプリにするにはAndroid SDKが必要となります。これはWindowsでもMacintoshでも扱えます。

これらのXcodeやAndroid SDKの使い方について興味ある方は各自検索して調べてみてください。
時間があればこちらでも色々と記事にしていきたいとは思っています。


このソフトウェアは殆ど視覚的にスクリプトを配置出来ます。
各命令のオブジェクトをウィンドウに配置してそれぞれのアクションの脇にある白丸をドラッグ&ドロップでラインを繋げる事で連携できます。

表示画面も自由自在にレイアウト出来るため、文章や選択肢、画像などを好きな場所に配置できます。
変数などももちろん設置可能です。細かなスクリプトも編集できるのでダイスロールやステータスなどの機能も組み込めるでしょう。

アプリ作成ソフトですので機能はかなり用意されていますが、その分覚えなければならない事も多いです。アプリケーションがどのように動いているのか、プログラミングはどのように構成されているのかが分からないと、このツールを扱うのは難しいですが、一通り覚えてしまえば単純なので扱いやすいと思います。


個人が電子書籍でのゲームブックを手軽に配信できるようになりましたが、これからは個人がゲームブックアプリを配信する時代も近いかもしれませんね。


Illumination Software Creator
http://lunduke.com/illumination-software-creator/


おすすめ度:★★★(上級者向け)
マニュアルURL:http://www.lunduke.com/isc/ISC_THE_BOOK.pdf
サンプルゲーム:
カテゴリー:ソフトウェア(Ver.6までフリー、Ver.7はライセンス制)
対象OS:Windows、Macintosh、Linux
言語:英語
フローチャート:あり(プログラムも含む)
出力ファイル方式:独自ファイル(.isc)、HTML5、iPhoneアプリ(ipa)、Androidアプリ(apk)、Flash、Python
変数:可能
アイテムシステム:可
ステータスシステム:可
バトルシステム:可
画像音楽メディア挿入:可
posted by 文芸遊戯研究会 at 20:36| 制作ソフト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

受け手に変化を与えるもの

永劫選択」というゲームブックを読み終えました。
文章は学術書のような感じで少々重いストーリーですね。

こちらの作者は私と同じ年齢でゲームブック世代です。哲学専攻とのことでそういった哲学の知識や見解をゲームブックに取り込んだ形となっています。

ネタバレになるので詳しい感想は控えますが、辛い過去のある主人公が生きる指針を見つける所は中々のものでした。

こういう形で哲学的な1つの見解が学べるのは読んでみていい経験ができました。


もう1つ、Kindleの電子書籍でのゲームブックで「魔物たちの楽園―あるいは臨床心理学の楽園―」も読んでみました。

こちらの作者は中国語や心理学を専攻していたようで、この作品では臨床心理学の分野の知識をゲームブックに取り入れた作品となっています。

専門用語の説明がないなど少々微妙な出来ですが、この方の過去の作品からすると段々と上達しているように見受けられますから、今後いい作品が出せるよう応援している限りです。

「送り雛は瑠璃色に」では古文学を専攻していた作者の知識を上手く取り入れて活かしていたように、自分が興味を持ったり研究している分野の知識を全く違うゲームブックのカテゴリーに取り入れると言うのは、いい武器にもなり得ます。

自分の得意としている分野の知識を活かすのは作品作りには役に立つでしょう。

何よりも読者が知らない知識を知る事によって勉強にもなります。

私自身、哲学や心理学は専攻ではなかったのですが、大学時代にそういう精神的な分野の本を読みあさった時期もあり、先ほど紹介した作品は楽しめましたし、何より少なからず自分自身の生活の糧になりました。


言葉や文章はコミュニケーションの道具だと以前書きました。
コミュニケーションの本来の役割は対象の相手に変化を与えるためにあります。
相手に変化を与えるというのは例えば
・相手に自分の情報を知ってもらう
・相手の感情を変化させる(喜怒哀楽)
・相手に自分に対しての興味を持ってもらう
その他にも細かい事は色々とありますが、根本的にそういったアクションを起こすためにコミュニケーションの道具というのは存在します。

小説やゲームブックなどの文芸創作でも芸術作品に置いても言える事ですが、
受け手…読者は変化を求めています。

私たち人間は常に何かしらの変化を無意識に求めています。
それは「欲求」や「要求」という形で表現されます。

空腹になれば何か口にする事で満腹への変化を求めていますし、
何かしらの勉学であれ、自己のスキルアップという結果への変化を求めています。

これはゲームブックであれ同じ事です。

こういった文芸作品は著者と読者のコミニケーションの道具なのです。
根本的な役割は著者が読者にどのような変化を求めていくのかということです。
逆に読者がどのような変化を望んでいるのかということを著者が感知して提供していくという事も必要になるでしょう。

本を読んで勉強になった。
感動した。
謎が解けてすっきりした。

様々な感想があると思いますが、それは与えられる変化が大きければ大きいほどインパクトも大きいです。
読者の予想を超えるような文章や展開があれば、想定外の結果に読者は驚きの感覚を与えます。

逆にありきたりな当たり前の何気ない展開や文章などでは、読者に変化を与えづらいでしょう。
読んで受け手に変化がないと言うのは、俗にいう「つまらない」作品です。

読んでいて嬉しくなった、悲しくなった、頭にきた、笑ってしまった。
勉強になった、納得した、同感した。
読者がそういう気持ちになれば、作品の価値と言うものも向上します。

ですから与える側としてテーマを決める上で一番重要なのは、受け手をどう動かすかということに尽きると思います。

そのためにはどうしても知識と教養が求められてくるでしょう。
ここでいう教養とは知識を如何に活かして展開していくかという展開力の事です。

自分の専攻していた学問や興味をもったり趣味としている分野の知識でもいいでしょう。
何か自分の強みになる知識を活かして展開力を付けてプロットを決めて、そして読者にどう感じて貰いたいかをテーマにしてみるのもいいかも知れません。
posted by 文芸遊戯研究会 at 21:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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