2016年01月31日

脱出ゲームブック

なんか今年は雪が多いですね。
それでいて寒いかといえば例年よりも寒さは和らいでいるような…そんな気がします。

このブログに検索に来られる方を見てますと、ゲームブック関連の言葉で検索に来られる方は全体の一割にも満たないようです。
残りの九割超がゲームブック以外の単語で来られています。
主に多いのがGoogleフォームやドキュメント、そして一太郎、あとはHTML5などのIT関連用語で来られる方。

こういう傾向を目にするとこのブログに情報を求めてやってくる人がゲームブックの情報を求めて来ているのでないということがよくわかります。
逆にいえばゲームブックのことを知らない人にゲームブックの情報を知らせるいい手段にはなりえますが、来られた方の動きを見ているとそうでもなさそうです。


 今年は読書をたくさんしようと決めまして、今年に入ってから40冊近く読破しました。元々、速読術を身につけているので大体1冊あたり1〜2時間くらいで読み終えてしまいます。私がよく読むのは小説よりも実用書関連ですね。

 ゲームブックも一気に買いました。SCRAPの脱出ゲームブックのシリーズを一気に大人買い。

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これらの品は子供向けなのかなと手を出さなかったのですが、実際本を開いてみると大人にも楽しめるようになっていました。


 他の本を読みつつ「人狼村からの脱出」を読破。

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なんかすごく面白いです。その他のシリーズ作はまだ手をつけてませんが。
往年の名作ゲームブックとは志向が違い、こちらはパズル要素が強いゲームブックですね。
コンシューマーゲームでいえば「レイトン教授」のシリーズに近い感じです。

自分で言うのもなんですが、自分はこの手のロジカルパズルには自信がある方でして、「レイトン教授」のシリーズもパーフェクトでクリアしたりしてます。

今回の「人狼村からの脱出」も公式サイトのヒントは2回見ただけであとは自力で全て解けました。
それでも難しい設問もありましてよくつっかえました。難しいと言っても不条理な難しさではなくちゃんと考えれは解けるように設定されているので、ちょうどいい具合に進めましたね。

 ロジカルパズルの突破に必要なのが論理思考、いわゆるロジカルシンキングですね。学生時代にこの手の思考法を追求し修行を重ねた経緯がありまして、それでも今も完璧ではなかったりしますが、こういうパズルの謎解きに役立つと思いませんでした。

 誰でもそこそこ楽しめた過去のゲームブックと違い、この手のパズル的要素の強いゲームブックは読者を選ぶようで、受け入れられる人と受け入れられない人で分かれると思います。
 万人に受け入れられようとして無難なスタイルのゲームブックを作ろうとしても成功しないだろうというのはSCRAP側もわかっていたのかもしれません。あえて難解なロジカルパズルを設けることで読者層を限定し、インパクトを与えようとシフトしたマーケティングはある一定の成功を収めたようで、増版や続編が出されています。

 あとはイベントなどで知名度を上げた経緯も成功の起因となったのかもしれません。

「人狼村からの脱出」で言えば付録が多く電車などで手軽に本を開いてプレイということはできず、テーブル上で紙を広げて筆記しながらでないとプレイできないとか読書環境を選ぶ傾向にあります。
 記録やマップなどは全てwebアプリでも提供して付録を減らせばいいのにと思いたくもなりますが、プレイしてみると紙媒体の付録はもとより、表紙や裏表紙など本を構成する全ての箇所を謎解きに利用している節があります。
 付録をデジタル媒体にしてしまったら「では本文などもデジタルにしたほうが合理的」と言われる兆候になってしまうため、製作者サイドはあくまでアナログで進行させようとこだわりがあったのかもしれません。

 読書環境を選ぶ側面や割と難解なタイプの謎解きなどフラストレーションの溜まるゲームブックですが、そのフラストレーションが増大だからこそ得られるカタルシスも増大させる消費者側の特性をマーケティングに取り込んでます。そして増大なフラストレーションに押しつぶされるような読者層はあえて切り捨てている潔さがインパクトも与えているのでしょう。この辺がアマチュアな作家と違うSCRAP側のこだわりなのかもしれません。

 何より一番の成功の原因となったのは、このゲームブックが個人で作成したものではないということでしょう。
コンシューマーゲームと同じように複数人でチームを生成してお互いのアイディアなどを出し合って制作を進めた結果、このような多彩なアイディアを含むゲームブックが作られたのです。

 こういった複数人で発想を持ち寄ることは「ブレインストーミング」と呼ばれています。最近になって「ひとりブレインストーミング」とかいうカテゴリーも存在しますが、「ブレインストーミング」は複数人でやるから「ブレインストーミング」です。

 「ブレインストーミング」の威力というのは絶大で、個人では太刀打ちできないほどにその成果が発揮されます。
誰でも視野や固定観念というものは存在してそのステレオタイプという枠を通して認知判断の基準を設けています。そのため気づけない問題や突破口も存在するのです。そう言った視野性は個人個人によって全く違う特性を持っています。

 そのような視野の方向も角度も違う人がタッグを組んで同じプロジェクトに挑むとなれば、互いの見えなかった部分が浮き彫りにされて解決につながります。
 極端な例ですが道を歩いている時に単独なら前を向いたら前しか見えませんから、足元の障害物や背後の危機がわかりません。ですが複数人で歩いて一人が前をもう一人が足元を、そしてもう一人が背後を見ていたら気づくべき箇所も増えます。

 こういった方法が「ブレインストーミング」で今回、自分が読んだこの脱出ゲームブックもこの「ブレインストーミング」の成果であろうとも言えるわけです。

 ゲームブックというものは小説と違い、観自在な側面を持つ反面、制作側も多大な能力を求められます。
そう言った制作側のデメリットをチーム制で補ったSCRAP側の選択がこれからのゲームブック業界のデファクトスタンダードになるのかもしれませんね。
posted by 文芸遊戯研究会 at 09:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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